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鷹匠

鷹匠

人国記にみる

この書は戦国時代以前に書かれたという。
北条時頼が書いたという説もある。
武田信玄はこの書を配下に読ませて天下統一のため勉強させたことは確からしい。

当国の風俗は、武士の風、天下一なり

と記載された信濃。

なぜか全国の中で、信濃と美濃をべたほめなのである。

ほかはひどいものである。
他の地方は性格の悪い人だらけになってしまっている。
それにしてもよく日本各地を書いたものである。作者は坊さんであろうか。

このことから作者を信濃の国の人と考える人が多いようだ。
だとすると他の地方の人にはお気の毒。
一度書かれた文章は今でもこうして読まれており、イメージを作り上げてしまう。
最近の県民性に関する本で、長野の評価を低くしているのは、この恨みかもしれない。


だが待ってほしい。
本当に信濃の人が書いたなら、こんなにあからさまに美化するだろうか。
少しは批判したはず。それが信濃の人らしいからだ。
もしかしたら美濃の国の人かもしれない。

私は北条時頼説に賛成である。
なぜなら北条氏は上田地方(塩田平)を領地としていた。
今でも上田は鎌倉文化が数多く残っている。
自分の領地ゆえにほめているのかも。

また私が知っている範囲では、上田は信濃の国のなかでは、とてもさっぱりした気風をもつ地方であるからだ。信濃でも特別だと思う。

徳川に二度までも戦いを挑み名を残した、上田城の合戦はこの書が書かれた後のことである。まんざら嘘ばかり書かれているわけでもあるまい。


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